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カタクリは山の春を告げる花である [庭の花&その他]

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カタクリは山の春を告げる花である。古くは「かたかご(開いた籠の意)」と言われた。早春の山野の花の中で、もっとも魅力的な花でもある。

「万葉集」の中で、大伴家持(おおとものやかもち)は「もののふの、八十(やそ)少女(おとめ)らが くみまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花」と詠んでいる。
 
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「たくさんの少女達が、井戸の回りで水を汲むながらおしゃべりしている。寺の井戸のほとりに、淡い赤紫色のかたかごの花が咲き乱れている」という意だ。

うつむきがちに、しかしにぎやかに、おしゃべりをしているような風情で咲くカタクリの花を、初々しい少女たちにたとえているわけだ。
 
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昔はそれほど珍しい花ではなかったが、採られたり、開発などによって絶滅したところが多く、幻の花扱いにされてしまったらしい。だが、日本海側の地方にはいまだに多く野生し、雪解けと共に咲き出す。
 
しかし、やはり生育出来る環境条件は狭く、環境の変化に対応出来ず、消滅しやすい短命植物の一つである。落葉樹林下で、木の芽が吹く前にひっそりと咲いて、木が茂る夏には姿を消してしまう。
 
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大昔の人は、花をめでるだけではなく、その球根から採れるでんぷんを片栗粉として食用してきた。現代市販されている片栗粉はジャガイモのでんぷんで、本物ではない。

ただ、実際に、本物のカタクリから大量の片栗粉を作ろうとすれば、大量の球根を掘り取らねばならない。そこで考え出されたのが同質のでんぷんをもつジャガイモのでんぷんを代用することであったらしい。

ジャガイモを代用したからといっても、その名は本物の片栗粉の名を踏襲しただけで、決してジャガイモの方が劣っていて、偽物であるわけでもない。ジャガイモならば、大量生産は可能だし、安価に扱える。
 
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カタクリの花は、花茎の先端に一輪、うつむいて咲く。そのため、花びらのくすんだ色の裏面しか見えない。

そこで、神様はその美しい花の色を目立たせるためだろうか、花びらは開くとともに、付け根が反転して、表面の美しい色をあらわにする。そして、人々はその美しさを発見する。これこそ、「神業」である。
 
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下向きに咲くその姿が、清楚さ、たおやかさを感じさせてくるからでしょうか、「初恋」「さびしさに耐える」といった花言葉が生まれた。

花持ちは3~7日程度で、五月に入ると、葉は枯れて、意外に早く休眠に入る。外国産の園芸種の方が花色も豊富で、栽培しやすく、鉢花として人気がある。
 
それでも、やはり、野生地で咲く日本原産のカタクリの方が風情があるように思えてならない。
 
 キバナカタクリ
 
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むぎ

so beautiful
by むぎ (2015-06-14 22:31) 

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